■ 論文ID:
53

■ タイトル:
SmartVoice:言語の壁を越えたプレゼンテーションサポーティングシステム

■ 著者:
李翔(東大),暦本純一(東大/ソニーCSL)


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レビューサマリ
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面白いシステムで実用性もあるので採録と判定しました。論文は細部の議論や遂行が不十分なので査読結果をよく見て修正してください。

(カメラレディまでに必要な書き直し)
・誤字脱字の点検
・システムを使ったプレゼンテーションの流れを1か所にまとめて書く

(推薦論文になった場合に追加すべき内容)
・ろうあ者向けのシステムなどより広い関連研究の紹介
・査読で提示されているような他の方法と比較した議論
・実際にシステムを使ったからこそわかる知見(事前準備やコツなども含めて)


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reviewer 1
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■ 総合点:
4

■ 確信度:
1

■ 査読コメント:
評点の根拠:
実世界における問題のとらえ方、その改善方法の提案の興味深さと実装されたシステムの完成度の高さをとっても興味深く、「そうきたか〜」と思わさせもらえた論文でした.新規性についてですが、個々の技術については専門外なので他の査読者の判断に委ねたいと思います.しかし、これらの技術を用いたプレゼンサポートシステムとして、現実の問題に対する新たなアプローチでの改善方法を提案している点は評価します.有用性も実装システムの完成度の高さはビデオから拝察し、十分なクオリティを持っていると判断しました.またプレゼンサポート以外の応用可能性について議論されている点も好感を持ちました.論文の記述についても大きな問題はないと判断し、上記の評価をさせて頂きました.

論文改善のためのコメント:
ユーザ評価に関して、提案システムでプレゼンテーションを実施するのに必要な準備作業に関して明確にされていない苦労があるのではないかと感じました.この点に関する評価/議論があるとより良いかと思います.また、この準備ができているとして、ナレーションの進行を顔にバインディングされた操作にせず、発表者が手元にあるなんらかのコントローラーでナレーションの進行を制御しつつ、口元でクチパクを行う方法も手段としてはあるかと思います.それとの比較を行い、提案手法の使い勝手をより明確にされると良いかと思います.
顔による操作と手動操作の組み合わせという考え方もあるかもしれないかと思いました.

採択された場合のリクエスト:
是非、提案システムを利用して口頭発表をして頂きたいと思います.


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reviewer 2
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■ 総合点:
4

■ 確信度:
2

■ 査読コメント:
口パクで音声再生をするというアプローチは今までなかったのだとすると自然で面白い。あまり難しいことをせず、再生パラメータは顔の位置や目の開き具合などの簡単に取れる別パラメータにマッピングしているという点も面白い点である。作られたシステムは、ビデオや評価結果を見る限り性能がよさそうである。会議の現場などで実際にニーズがあるように思える。

言語による違いをもう少し詳しく議論してほしい。自然に見えるような口の動かし方については何かコツがあるのではないか。

関連研究についてももう少し詳しくいろいろと調べてほしい。聾唖者向けの音声発生装置などで近いものがあるのではないか。


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reviewer 3
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■ 総合点:
4

■ 確信度:
2

■ 査読コメント:
評点の根拠

母国語以外の言語でプレゼンテーションを行うときなどにあらかじめ録音しておいた読み上げ原稿を口パクに合わせて再生するシステムの研究です。提案されているシステムは他の状況でも有用だと思われますが、母国語以外でのプレゼンテーションでは特に有用であり、説得力があると思います。また、要素技術には既存のものを用いていますが、組み合わせ方に新規性があると思います。採択で考えたい研究です。

しかし、あまりにも多い誤字脱字に目をつぶったとしてもなお、記述の質には問題が多いです。
(1) 2章と3章の切り分け方が悪い。たとえば、2章をユーザ視点で書こうとしているようですが、プロンプターの説明が3章にあるので、プレゼンテーションの仕方の説明が2章だけで完結せず、読みにくくなっています。
(2) 4章はおもしろいといえばおもしろいですが、判別できるかどうかよりも、他の人に観客付きでSmartVoiceを使用してもらってコメントをもらう方が意味のある実験だと思います。
(3) 5章も整理できていません。まず、5.2と5.4をまとめた方がわかりやすいと思います。また、5.3と5.5は本論文の内容から考えるとまだかなり先が長いので、「今後の課題」や「未来ビジョン」などとして切り分ける方がよいと思います。

論文改善のためのコメント、疑問: 
誤字脱字をよく点検し、論文サンプルとよく見比べて、カメラレディでは必ず修正してください。また、上述の(1)と(3)については出来るだけ改善していただきたいです。

採択された場合の発表内容、議論内容に対するリクエスト:
ぜひ SmartVoice を使って発表してください。