衣服のシワを用いた入力インタフェース

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■ 総合点
4
■ 確信度
3
■ 査読コメント
ウェアラブルインタフェースの本来のあるべき姿を見せるような,挑戦的研究です.駆動制御やセンシングについてはそれ程新規性のあるトピックではありませんが,著者らの着眼点に関してその新規性を高く評価します.一方で現段階ではシステム上の制約から,有用性がそれ程高いようには考えにくいです.なによりも実際にシワが動的に生成され,それを操作する体験がユーザにとって高い新規性を持つと考えます.

手法の検討にわざわざステッピングモータやモータフェーダを利用して検証していますが,あまり意味がないように思います.
■ レビューサマリー
本論文は衣類のシワを動的に生成し,それを入出力装置として利用する点に関して,新規性の観点から高く評価されました.一方で有用性についてより深く議論する必要があります.たとえば今回は衣類に着目していますが,シワを利用するインタフェースとしては家具や車内等の応用事例が想像できます.それらの可能性を踏まえ,より具体的なビジョンを提示してください.また,査読者から提示されている下記項目について,十分な準備をおねがいいたします.
・提案システムの使用される状況を説明する、(ディスプレイを用いるのか、用いないのかなど)
・しわについての活用法の提案、など議論のネタになるようなことを用意する
・継続した評価実験の結果を当日議論用のネタとして提示する



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■ 総合点
2
■ 確信度
2
■ 査読コメント
評点の根拠:
衣服にしわを生成し、触覚的なディスプレイや入力インタフェースとして用いることを目指したシステムが提案されています。
洋服のしわを自動的にon/offでき、それをディスプレイや入力インタフェースに用いるという発想はとても面白いと思います。

論文改善のためのコメント、疑問:
一方、論文では、提案システムが使用される状況が明確でない気がします。そもそも、HMDのような視覚的なディスプレイと組み合わせて用いることが想定されているのでしょうか。それとも視覚的ディスプレイなしで用いられるものでしょうか。もしくは、状況に応じてディスプレイを用いたり、用いなかったりするのでしょうか。

もしディスプレイを見ずにしわのみで操作を行う場合、それぞれのしわに対する機能や選択肢の割り当てをユーザはどうやって知ることができるのでしょうか。視覚的なディスプレイと組み合わせて用いる場合、ディスプレイ画面中の表示はどのようになるのでしょうか。アプリケーションについても、より実用的だと思われる案をいくつか出すと説得力が高まると思います。

採択された場合の発表内容、議論内容に対するリクエスト:
しわを動的に生成する機能は非常に面白いと思いますが、考察にはそこまで踏み込んだ議論がなされていない点が残念です。
しわについてもっと踏み込んだ活用法を提案するのは、議論のネタになるのではないでしょうか。例えばしわに対する接触方法はタッチのみが想定されていますが、もっと別の接触方法も考えられる気がします。(例えばしわのように盛り上がっていたばあい、つまんだり引っ張ったりしたくなる気がします。)
また、しわを作れるということは服の表面の模様に変化を与えることができるため、視覚的なディスプレイとしても応用可能性もあるきがします。

その他のコメント:
・図5は図4と同じ図でしょうか?
・将来的な小型化の技術的な可能性はありますか?



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■ 総合点
4
■ 確信度
2
■ 査読コメント
ウェアラブルコンピューティング環境として、衣服のシワを用いた入力インタフェースの提案である。新規性もあり、何より面白い。実際に、さまざまなシワを作る機構を実験した上で、現在のシステム設計をしており、信頼性もある。
被験者実験はまだ3名ほどで、1名はシステム上の失敗が反映されてしまった結果とのことで残念であるが、被験者実験はまだ続いているということからも、WISS当日ではより多くの被験者実験による結果を述べていただけると期待する。

論文の体裁も整っており、関連研究についても詳しく述べられている。

ビデオ投稿されていないのが残念である。可能であればデモビデオも作成することを推奨する。


何本目あるうちの端から何本目のシワを触りたいか(触っているか)については、シワ全体を触った上で判断しないといけないと思うが、何度も触っているうちにホームポジションのようなクセが出てきてより判断しやすくなるといったこともあるのだろうか?

継続した評価実験の結果に期待する。


カメラレディを作るにあたっての詳細なコメント
・第1章 3段落目、「衣服を利用したインタフェースの研究が多く行われている。」の部分で、「行われている[ xx][xx][xx]。」のように、いくつか引用するとわかりやすいのでは?

・第1章 3段落目の出だしと、4段落目の出だしが、いずれも「そこで」なので、4段落目の「そこで」は削除してはどうか? 3段落目と4段落目の出だしが「本研究では」とかぶるので、4段落目のほうを「我々は」などとしてはいかがでしょうか?

・第2章、「片山らによる片手キーボート[1]は既存の」誤植
→片手キーボード (ドがトになっている)

・図4と図5が同じ図になっている。文章の方も修正するように。

・表1 「フィードバクなし」→「フィードバックなし」(誤植)

・5.2節 「手法1」「手法2」と書かれているが、手法1,2という表記を使うのであれば、3.4節のタッチ検出機構の部分で、手法1、手法2をそれぞれ定義してから使うべき。表1にも手法1、手法2という表記を併記するとわかりやすい。
もしくは、5.2節内で「手法1」「手法2」という表現を使わずに、「長押し法」「絞り込み法」という表現を使うか。