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査読者 1

総合点

5

確信度

2

コメント

デバイスの擬態化は興味深い提案です。

ただ,図2は,本文中では実装されているかのような引用の仕方ですが,図3の提案方法では手が映るはずがないので,混乱しました。図2のキャプションにだけ「目指す姿」の文言があるので,これは実装されていないことがわかりましたが,論文として見た場合に,読者に大変に紛らわしい情報提示であるとおもいます。

擬態を最終目的にすると,現状では制限事項がでてくるとおもいますので,それを明示していただいたほうが論文がわかりやすいとおもいます。また,目的の場所を切り出す直感的な方法という解釈もできますので,そのような解釈にしたがった応用も議論できると興味深いとおもいます。

採録判定時のコメント

深度カメラ(Tango)搭載のスマートフォンを、それが置かれている場所のテクスチャに透明化・擬態化する手法の提案。センサの機能をうまく利用し,スマートフォン単体でその存在を目立たなくするアイディアは面白い。実装と共に活用例も具体的に述べられており、有用性も高いと思われる。一方で、最終目標として示されている図と現状とのギャップや、着地直前での動作が不明瞭などの問題があり、ショート採択と判断された。

レビューサマリ

査読者全員が,アイディアとそれを具体的に実装したところを高く評価しています。
しかし、現状のセンサ(カメラ及び深度センサ)は、レンズ前0mmでの測定が難しいく,従って、一番大事な「着地寸前のトラッキング」ができず、ズレを無くすのは困難とおもわれますが,論文中では「手で補正」と書いてあるだけで、本件に関する原因分析や解決方法は書かれていないのは,まだ,検討の余地が大きいとおもいます。最後に,図2は現状では実現できず、読者のミスリードを誘います。この図は論文の最後に(解決すべき課題と共に)書くべきものとおもいます。これは,すぐに対処できると思われるので,採録条件にはしませんが,カメラレディまでには修正をお願いします。

その他コメント

メタ査読者は,提案する機能について,目的とする背景の部分を直感的に指定できる機能は,「目立たなくする」ということとはべつの有用な状況があるように思えました。

査読者 2

総合点

6

確信度

1

コメント

本論文では,深度カメラ搭載のスマートフォンを利用し,それが置かれている場所のテクスチャに透明化・擬態化する手法「Slamimic」の構築を行っている.
ディスプレイを周囲の環境に溶け込ませる先行研究はいくつかあるが,Tangoに搭載された機能をうまく利用し,スマートフォン単体でその存在を目立たなくする本手法のアイディアは面白い.また,提案手法の実装がしっかりなされていることに加えてインタラクション例も提案されており,活用可能な場面が多いことが想像できることから,提案手法の有用性は高いと思われる.
一方で,スマートフォン(ディスプレイ)単体でその透明化を図るためにTangoに搭載されている機能を上手く利用したという点が重要であることは理解できるものの,提案手法よりもTangoの機能を主張する記述が非常に多く,技術的新規性の主張が薄くなってしまっていることから,本論文はショート採択が妥当であると判断した。
なお,文章の流れや表現に違和感を感じる部分が散見されるので,投稿前には確認していただきたい.

査読者 3

総合点

9

確信度

3

コメント

コンセプトの提示だけでも十分に面白みがあるが、デモ映像でも十分に簡単にまとめられており好感が持てる。Tangoを使う必要があるのとそのTango自体の先がない事が欠点ではあったが、今後はARKitなどでも同様の事が出来ると予想されより適用範囲が広がる期待があり、たいへん有益な内容であると考える。