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査読者 1

総合点

8

確信度

2

採否理由

ダンス動作をクエリとする検索システムは(OpenPose関連の研究として今後いつ他から発表されるか予断を許しませんが)十分な新規性を持っており、有用性もあると思います。これまでそうした検索をすることすらできなかったので、ダンサーのみならず一般のユーザにとっても有用だと考えている。

正確性や論文自体の記述の質も優れていると判定した。ロング採択が妥当であると考える。

この研究をよくするためのコメント

システムをデモンストレーションする際には「音を出さない」ほうが集中してその類似性を観察できると思うので、プレゼン・動画においてご検討をお願いします。

採録判定時のコメント

総合的に判断し、本論文はロング採録となり、採録条件も特に必要ないとなりました。とはいえ、各査読者の指摘を鑑みた修正に期待しています。検索システムという意味での動作としては、論文に記載されている情報からはシステムが「動作している」といることが十分に示されているわけではない、と考えています。検索システムが動作しているということについて、例えば他のダンスカテゴリーでシステム動作させ結果が良好であると確認できたかどうかなどが記載されているべきだと感じています。

レビューサマリ

本研究は、最終的に採録条件なしのロング採録となっていますが、査読者の意見が完全に賛成で一致したわけではありません。メタレビュアーとしては、この採択は「ワークショップで議論するのに十分に値する」という意味であって、たとえばこれが「論文誌や査読付き国際会議で受け入れられる内容である」ことを保証する意味ではないと考えています。

検索システムの提案なわけですから、本来は検索システムとしての評価、実用性についての議論が不可欠なはずだと思っています。改訂原稿および当日のプレゼンテーションで、少しでもそこに言及いただけると、より有意義なワークショップになると思いますので、各査読者のコメントに耳を傾けていただければ幸いです。

その他コメント

 -

査読者 2

総合点

3

確信度

3

採否理由

ダンスを検索する取り組みは新しく興味深いですが,有用性と正確性と明瞭性に問題があると思います。特に,システムを使った結果の情報が不足しています。もし採録ということであれば,採録の条件があります。(1)「0.9」という閾値の根拠または説明を追記してください。(2) 入力したものはダンスジャンルbreakの一つだけと読み取れました,ほかのHip-hop, Pop, Waackでも同じジャンルのものがでるのかがわからないと,有効性が判定できません。(3) その際に,提案の方法の特色である重みの有効性を確認するために,重みを使わなかった条件での検索結果と,重みを使った条件での検索結果の比較の情報を示してください。(4)この検索問題で,評価のときに正解と判定するのはジャンルの判定で一致するものと読めます。ほかのところで,「目的のダンスを検索する」とあるのにくらべて,ゆるい正解判定であると考えられます。これで,目的が達成されるのかの議論をお願いします。(5) 重みの計算に使う数種類のCについて記述が不足しているため,手法の理解が難しいです。補強ください。

この研究をよくするためのコメント

検索システムであれば,「正解はなに」ということが重要です。上位10件がジャンルが同じならばよいということであれば,それはなぜかという説明と,それに基づいた利用法について,もっと詳しいストーリが必要と思います。評価についてですが,現状はカメラで撮影したものでテストしていますが,データベースから一つをとりだし,取り出したものをデータベースから削除した状態で検索をかけ,同じジャンルのダンスがとれるかなどは検討してもよいと思います。最後に,適切なベースラインを設定して,提案方法と比較することは,検索システムとしての評価では通常,もとめられるものであると思います。最後に,提案方法では,ポーズ,ポーズ変化速度,変化加速度が正規化後,同じ重みで加算されていますが,この考え方の背景を知りたいと思いました。

査読者 3

総合点

7

確信度

3

採否理由

ダンス動作をクエリとして楽曲を検索する,というシステムの提案です.
動きとその音楽の対応づけ,というモチベーションがどのように発展しうるかの展望と,まず具体的なシステムとして,ダンスの動作特徴量をクエリとして似た特徴量のダンスに紐付けされている楽曲(ダンス動画)を選んでくれるシステムが実装,デモンストレーションされています.

・動作と音楽を対応づける,という試みの面白さ・新しさや,今後の発展性
・実際に動く一つのシステムとしてアプリケーション例が実現,デモンストレーションされている

点が強みと考え「ロング採録に反対しない」評価となりました.

この研究をよくするためのコメント

・この研究の技術的な課題としては人の動きを特徴量化するとはどういうことか,
さらに,ダンスの特徴量化に得意な点はあるか,さらに音楽に対応づけるための特徴量に独自の改良ありうるか,という点が大きいのではないかと思います.

・現版ではダンスの特徴量として関節角度を並べたものが使われていますが,このデザインにいたる議論や,さらなる改良は価値が高いと考えます.

・関連研究として楽曲検索の研究に加えて,姿勢や運動の表現に関する研究が有用に思います.

・実装についてどの関節のどの角度を測るなど,再現のための情報が少し曖昧かもしれません.