WISS2002 ポスター＆デモセッション プログラム

[1A-1] 3次元ビジュアルプログラミングにおける視覚化手法
岡村寿幸 (筑波大学大学院 システム情報工学研究科), 田中二郎 (筑波大学 電子・情報工学系)

• This paper describes the methods of easy-to-understand programs visualization in 3D Visual Programming system "3D-PP". 3D-PP visualizes GHC program in virtual 3D space with 3D objects. To enable programers to detect arguments and input and output mode of arguments, we introduce "Argument Objects". To suppress dispersion of objects, we introduce a structuring method to enable a 3D object to contain a group of objects, called "Hierarchical Program Structure". We implemented "Argument Objects" and "Hierarchical Program Structure" in 3D-PP.

[1A-2] 頭部の移動を許容する視線測定システム
大野健彦, 武川直樹 (NTT)

• 我々は視線を用いたインタラクションシステムの構築に向けて，頭部位置を追尾しながら視線を測定することが可能なシステムを開発した．本システムはディスプレイ上部に設置されたステレオカメラおよびパンチルト架台に設置された眼球位置検出用カメラから構成されている．視線測定中にユーザの頭部位置が変化した場合，ステレオカメラによって算出された眼球位置に基づき，眼球位置検出用カメラが眼球を追尾することで，視線測定の継続を可能とする．本システムによって，ユーザへの負荷が極めて少ない視線測定が実現された．

[1A-3] 手書きインターフェースによるプログラミング環境
原謙治, 五十嵐健夫（東大）

• LISPプログラムの構築におけるペンインターフェースの利用を紹介する。プログラミングを全てペンで行うことにより直観的なプログラミングインターフェースを提供する。

[1A-4] モバイル機器における予測インターフェースと例示プログラミングの統合
遠山緑生(*1), 加藤文彦(*1), 豊田陽一(*1), 久野友也(*2), 服部隆志(*2) 
 *1: 慶應義塾大学 政策・メディア研究科
 *2: 慶應義塾大学 環境情報学部

• ユーザインターフェースの制約が厳しいPDAや携帯電話などのモバイル機器において、予測インターフェースと例示プログラミングを統合し、ユーザの操作履歴に基づいたスクリプト生成を行うことで、エンドユーザプログラミングを可能とするシステムを目指す。これにより、多機能なモバイル機器において、複数アプリケーションの機能を組み合わせた定型的な処理やコンテキストアウェアな処理の自動化を可能とする。

[1A-5] CoCo-Mindの履歴分析結果のInfoLeadによる効果的な三次元配置のデモンストレーション
中野篤, 大井恵太（NTT情報流通プラットフォーム研究所）

• ネット空間クルージング技術InfoLeadは大量のWebページを高速に三次元内に配置する。一方、履歴分析システムCoCo-Mindは利用者から情報（商品、Webページ等）へのアクセス履歴を分析し、相関の強い情報を発見する。本デモンストレーションでは、WebへのアクセスログをCoCo-Mindで分析し利用者が閲覧したWebページに相関のあるWebページをInfoLeadを用い三次元に配置することで、興味あるコンテンツを効率的に探索し閲覧することを支援する。

[1A-6] Pop.eye: パーソナルユーザ向けの「飛び出す」動画取得システム
三原功雄, 原島高広, 沼崎俊一（東芝 研究開発センター）

• 従来、3次元画像の入力装置は、非常に高価格なプロフェッショナルユースのものが大半で、パーソナルユーザが気楽に導入することができる3次元動画像入力装置は、ほとんど存在しなかった。本研究では、光の反射の原理を用いた独自の画像入力技術を採用することで、低価格、小型、リアルタイム性を共に満たす「飛び出す」動画取得システムPop.eyeを提案し、プロトタイプを試作した。

[1A-7] WEBラジオ：WEBコンテンツを「聴く」ためのナビゲーション
高木啓伸, 浅川智恵子, 福田健太郎, 前田潤二(日本IBM東京基礎研究所)

• 近年のWEBコンテンツにはひとつのページにさまざまな情報が混在しており、最も重要な情報である「本文テキスト」のみを音声化することがますます困難になってきている。そこで、本研究では各ページの本文領域を、アノテーション／自動解析に基づいて特定し、ひとつのリンクリストに含まれる複数のHTMLページの本文を連続して読み上げることで、ラジオニュースのような連続した音声提示を可能にする。

[1A-8*] Active Belt:方位情報を伴う触覚情報提示デバイスの試作
塚田浩二, 安村通晃 (慶応大学)

• 本研究ではモバイル環境において，方位情報を含む多ビットの触覚情報提示を実現するベルト型ウェアラブル・インタフェース"Active Belt"を提案する．触覚による情報提示はユーザの活動を阻害しにくいため，常時利用に適している．しかし，従来のモバイル環境での触覚情報提示手法の多くは，携帯電話のバイブレータのように，注意喚起程度の用途にしか利用されてこなかった．ActiveBeltはベルトに方位センサー，GPSと複数のアクチュエータを装着し，方位情報を伴う触覚情報提示を実現する．我々はActive Beltのプロトタイプを試作し，その有効な活用例を示すアプリケーションを提案する。

[1B-1] Web Community Browser: 大規模Webグラフ探索ツールとそのインタラクション技術
福地健太郎(東工大),  豊田正史, 喜連川優(東大生産研)

• Webコミュニティとは、ある共通するトピックを持ったWebページの集合である。我々は国内で収集した4000万ページからリンク解析により13万個のコミュニティを抽出している。我々はこのコミュニティ群を可視化し、閲覧・探索を支援するツール「Web Community Browser」を開発している。本報告では、Webコミュニティ間の関連構造を把握しやすくするために用いた可視化技法を紹介する。また、Fisheye viewを応用した可視化手法を提案する。

[1B-2] ペンによるメニュー選択に基づく日本語入力手法
佐藤大介 (筑波大学第三学群情報学類情報科学主専攻), 三浦元喜, 田中二郎 (筑波大学電子・情報工学系)

• 我々はペンによるメニュー選択に基づく日本語入力手法を開発した.このシステムでは子音のみの入力と予測候補の選択により速度の向上を図った.しかし,子音の組み合わせによって候補が多数になり,その選択に手間がかかることが問題であった.そこで絞り込みの機能を加え,より効率良く入力できるよう工夫した.一方メニューにはFlowMenuを採用し,入力と候補の選択を連続的で滑らかなメニュー選択で行えるようにした.

[1B-3] 携帯電話を用いた計算機遠隔操作のためのマクロ機能
中島佳宏（筑波大学第三学群情報学類）, 志築文太郎, 田中二郎（筑波大学電子・情報工学系）

• 我々は携帯電話から遠隔計算機にアクセスするための汎用的な仕組みを実現するためにビットマップベースの画面転送機能をベースとしたSVNCシステムを開発している. 本研究では，文字列入力やポインタ操作等を組み合わせた操作列をマクロとして登録し使用できるようSVNCに実装した．このマクロ機能は，携帯電話の特性を考慮しマクロのステップ実行やマクロ中止機能をもつ．

[1B-4] “壁”とのインタラクション：視線ポインティングによるディレクトリ走査の実装
高橋雅人 (電気通信大学大学院 電気通信学研究科), 長澤篤, 小池英樹 (電気通信大学大学院 情報システム学研究科), 佐藤洋一 (東京大学 生産技術研究所), 尾内理紀夫 (電気通信大学大学院 電気通信学研究科)

• ”壁”とのインタラクションの一例として，視線ポインティングによりスクリーン(壁)上のディレクトリに対してインタラクティブな走査が可能なインタフェースを開発した．システムは視線検出部，中継サーバ部，ディレクトリ走査部で構成される．今回実装したディレクトリ走査部により、視点ポインティングの位置・時間を用いたディレクトリ階層の辿り等のディレクトリ走査が可能となった．ディレクトリ走査部への入力は視線データ，出力はOpenGLを用いたグラフィック表示とアニメーション表示である．

[1B-5] ビデオ引用の柔軟性を向上したビデオメールシステム
木村博巳, 田中充, 勅使河原可海（創価大学大学院工学研究科）

• ビデオメーラーは多くの製品が出ているが、どれもビデオを一方通行的に送るだけである。テキストメールのように受信データを元に対話的なインタラクションを行う引用・返信等の機能は備えられていない。ビデオメールが一般に普及しない原因の一つはその引用・返信機能の欠如にあると考え、テキストメールのような引用・返信の手法を活用してビデオによる活発なインタラクションを実現するインタフェースの実装を目指した。

[1B-6] 衣服を操作するためのインタフェース
五十嵐健夫 (東京大学), John F. Hughes (Brown Univ)

• 3 次元キャラクタに手早く簡単に服を着せるためのユーザインタフェースについて紹介する．具体的には，対応する部分に線を描くことによって２次元の服を３次元のキャラクタ上に着せつける手法と，着せつけた後の服を３次元画面内で自由にドラックする手法について紹介する．

[1B-7] 対話的文書読解支援
河野匡彦, 寺田実（東京大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻）

• 我々が文書から情報を得ようとする時，まず(1) 文書の取捨選択を行ない，次に(2) 文書を読んでその内容を理解する．(1) 文書の取捨選択は精度良く，素早く検索することが可能になってきたが，(2) 文書を読んでその内容を理解するという部分は未だに人力に任せている．本論文では「ユーザーがその文書に何を求めているか」を，文書の表示にインタラクティブに反映することで文書の理解を助ける対話的文書読解支援（Interactive Reading Helper, IRH）を提案する．

[1B-8*] 発言の関連を表示する二次元チャットシステム Alice
魚井宏高、坂尻篤史（大阪電気通信大学）

• 　我々は，二次元平面の任意の位置に発言を表示できるチャットシステムとその応用 について研究している．昨年開発したSUCOPでは，発言の自由度は高いものの，発言 間の関連が明らかでなく，発言量が増えた際に話題の流れが捉えにくいという問題が あった．今回開発したAliceでは，発言時期と位置を基に，発言の関連を推定し，木 構造として表示したり，チャットキャンバス上の発言に着色することで，話題の流れ を明示することができる．
  

[2A-1] 音声認識におけるた候補表示についての検討
遠藤拓, 寺田実（東京大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻）

• 音声認識のディクテーションにおける誤認識の修正時間を短縮するために, 我々は認識結果の単語に対する他候補をリスト表示する機能について考えた. 単純に単語を置き換える機能だけでなく, 単語の境界を変更する機能や, 認識エンジンに残った情報を利用して後続の単語も同時に置き換える機能を付加し, GUIを実装することでこの機能の有効性を示したいと思う.

[2A-2] ThinkingSketchによる作画
美馬義亮, 木村健一, 柳英克 (公立はこだて未来大学)

• 昨年、WISS2001で発表した作画ツールThinkingSketchのデモンストレーションを行います。ThinkingSketchを用いて作成される図柄のバリエーションを披露するとともに、自分の意図を反映させながら、高速に新しい図柄を生み出すインタラクティブなツールとしてThinkingSketchを用いた画作りの体験をしていただきます。

[2A-3] Pointing Keyboard: キー入力／ポインティングが可能な入力デバイス
塚田有人, 星野剛史（日立製作所　デザイン本部）

• Pointing Keyboardは，キーボードの上に２次元座標検出のための赤外線センサを重ねた構造になっており，キーボード面上でキー入力／ポインティング操作の両操作を行うことができる．また，その特徴により，「ダイレクトなポインティング」「両手操作」「ペンタブレットとしての利用」など，キーボード＋マウスではできないインタラクションが実現できる．さらに，評価実験を行った結果，操作時間に関してはキーボード＋マウスの方が優位な結果となったが，主観的評価において，上に述べたインタラクションによってPointing Keyboardの方が便利であると答えた被験者が過半数を占めた．

[2A-4] Tactile Driver: 触感を忠実に再現するタッチパネルシステム
星野剛史（日立製作所　デザイン本部）

• 本論文は，触覚に対して豊かな表現力を持つタッチパネルのコンセプトと試作システムを紹介する．タッチパネルとディスプレイ全体をモーターで駆動することにより，あたかも本物のボタンを押したかのような触覚フィードバックを付加することができる．また，タッチする位置に応じて駆動することにより，指先に３次元形状を感じさせる試みも行っている．タッチ操作と押し込み操作といった２段階のインタラクションも特徴としている．

[2A-5] 情報の公開度を構造化して扱うインタフェース
糸賀裕弥（筑波大学 先端学際領域研究センター・茨城県工業技術センター）, 三浦元喜, 田中二郎（筑波大学 先端学際領域研究センター）

• 個人向け情報端末を用いて，ネットワークや街角の大画面表示機器によるサービスを亨受するシステムにおいて問題となるのが，個人情報の適切な制御である．本システムでは，特にどの個人情報を公開・非公開とするかのユーザインタフェースに着目した．レイヤ構造を用いて，情報を提供する相手やサービスごとに情報を選択する仕組みと，情報間の関係を利用して公開度を自動伝播させる仕組みを用いてインタフェースを実現した．

[2A-6] グローバルIDで管理されるストレージを用いた計算機環境
綾塚祐二, 暦本純一 ((株)ソニーコンピュータサイエンス研究所 インタラクションラボラトリー)

• 増大する電子情報は、個々のファイルに対して人間が名前を付けて管理することを難しくしていく。また、電子情報のファイルをあたかも物理的な実体かのごとく操作を行う実世界指向ユーザインタフェースでは、必ずしもファイルに名前が必要ではない。我々は、そのようなインタラクション環境のための基盤として、グローバルにユニークなIDをベースにしたストレージシステムを提案し、その応用例を示す。

[2A-7] 時計イメージを用いたペンによるかな入力手法
丸山泰史, 五十嵐健夫（東京大学）

• PDAなどの入力手法が限定された環境で、ペンの１ストロークによって高速にかなを入力する手法を提案する。本手法では、時計のイメージを用い、ストロークを時計回りにあかさたな順に配置することにより、記憶の容易性を実現している。また、すべてのかなを２直線からなる１ストロークで入力することにより、律動性・効率性・高速性を実現している。

[2A-8*] 

[2B-1] グラフを用いた視覚的なメイルリーダ
倉部淳((株)フロンテッジ・レーザーフィッシュ), 伊知地 宏(ラムダ数学教育研究所)

• メイルの関係を表すグラフをインタフェースとするメイルリーダについて，説明とデモを行う．メイルの関係抽出とそのグラフによる表示，話題スレッドの要約を行う機能はすでに開発しておりWISS2001でデモ発表をした．今回はこのメイルリーダの視覚的インタフェースVisual Mail Readerについて述べる．Visual Mail Readerではグラフをメイルを読むためのユーザインタフェースにするため，表示領域の大きな制約を受ける．そこでグラフの表示方法について，色などを用いて簡素化しながらも情報量を落とさないようにしている．さらに，メイルを読むための支援として，グラフ上での簡単な操作で，話題スレッドの重要単語の表示や要約を行えるようにした．

[2B-2] GIGA:空間解析器生成系におけるグラフィカルな文法定義システム
亀山裕亮, 飯塚和久, 志築文太郎, 田中二郎 

• 目的とするビジュアルプログラミングシステムの文法を定義することで、その解析器を自動的に作成してくれる生成系として本研究室では以前，恵比寿を開発した．恵比寿では図形文法の入力はすべてテキストを用いて行なわなければならず困難であった．そこで，図形文法のが解析される前と解析後の図を同時に編集することにより，実際に図形を用いて図形文法を定義することのできるシステムＧＩＧＡを新たに開発した．

[2B-3] 人はなぜロボットとダンスを踊らなければならないのか？
小野哲雄 (公立はこだて未来大学)

• 本研究では、インタラクションにおけるジェスチャに注目し、「共創」対話という枠組みを提案する。この共創対話では、身体の同調的動作に基づく情報伝達のメカニズムを明らかにする。具体的には、人がロボットの動きに引き込まれるような同調的な動作をしたとき、ロボットから人へ情報が円滑に伝わることを示す。本研究の結果は、次世代インタラクションの実現には人の身体に根差した情報技術の開発が必要であることを示している。

[2B-4] Memorium: 眺めるインタフェースの提案とその試作
渡邊恵太，安村通晃（慶應義塾大学 環境情報学）

• 本研究では，時計のように持続的に情報提示するあり方を「環境的」であると定義し，Memoriumという情報環境を実装した．Memoriumはメモを浮遊させて表示するシステムである．浮遊するメモは接触し，メモのキーワードでAND検索を行う．検索結果はMemorium内にメモと同様に生成され，浮遊しまた他のカードとの接触していく．本システムは日常生活のなかで個人のメモ，Webに触れる機会を眺めるという形で提供していくものである．

[2B-5] Javara:ズーミングを用いた展開と畳み込みに基づくWeb文章編集システム
小野田紗智（筑波大学 第三学群 情報学類）, 三浦元喜, 田中二郎（筑波大学 電子情報工学系）

• 「Javara」は展開と畳み込みという手法を用いて，一度構造化したが，内容の追記や更新を繰り返した結果不適切な構成になってしまった文章を，再度構築することを目的としたWeb文章編集システムである．本研究では，「Javara」において文章を編集するにあたり，ズーミングを用いることで，1）文章全体の把握と細部の可読性．2）文章編集操作の直感的で自然な表現．を実現した．

[2B-6] ビジュアルシステム生成系「恵比寿」におけるジェスチャの実現
山田英仁 (筑波大学大学院 システム情報工学研究科), 飯塚和久 (筑波大学大学院 工学研究科), 田中二郎 (筑波大学 電子・情報工学系)

• 本論文では，ビジュアルシステム生成系「恵比寿」でのジェスチャの実現について述べる．「恵比寿」は，図形文法にしたがった仕様から，ビジュアルシステムを生成する生成系である．本研究では，従来の「恵比寿」の図形文法に，ジェスチャを表すトークンを追加することで，図形文法の枠組でジェスチャを記述できるようにした．これにより，従来の「恵比寿」におけるビジュアルシステムの仕様に加え，ジェスチャに対応する動作を記述することで，ジェスチャを扱うシステムを生成できるようになる．

[2B-7] マルチシンクロチャット
山田祐士（静岡大学情報学部情報科学科４年）

• 本システム（マルチシンクロチャット）は従来のチャッティングシステムとは異なり，多人数の参加者が同時に1つの時間軸の中で発言することが可能になっている．それぞれの参加者による発言は文字によって画面上に表示されるが，時間の経過とともに入力された文字が常時画面外へ流れていくことで一般的な音声による会話に似た会話環境を構築することができる．さらに本システムを用いることで，文字ベースのチャットにおける対話のダイナミクスを実時間で観察することが期待される．