TouchOver:大画面を備える携帯情報端末を楽に操作するための片手親指操作手法

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review comment 1
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■ 総合点
3
■ 確信度
3
■ 査読コメント
論文の良い点:
既存研究との十分な位置づけがなされており,正確性も十分です。
タブレットやスマートフォンの大画面化に伴う問題の緩和手法として,一定の有効性があります。

論文の悪い点:
ホバーアクションは操作が難しく,ユニバーサルな操作ではない可能性があります。
ホバーアクションの操作性について,率直な言及が必要だと感じました。
既存手法との比較はやはりあったほうがよいと思います。
たとえばシンプルな操作比較として,画面下部にカーソル移動用のタッチパッド領域と,タップ/ドラッグ用のタッチパッド領域を置いた場合よりも,操作感は良いでしょうか?

論文改善のためのコメント:
機能切り替えにシェイクアクションを使用していますが,ホバーアクションの継続時間や操作時系列の状況で,自動的に切り替えるのはむずかしいでしょうか?
■ レビューサマリー
シンプルな方法である点と,参考文献をふくめ論文がしっかり書かれている点を評価しました.

ホバー検出可能な機種の普及率や,提案手法がホバー検出可能な機種のみを
対象としているかどうかについて,論文内で言及してください.

雑誌論文として投稿する際には,評価実験が必要だと考えます.



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review comment 2
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■ 総合点
2
■ 確信度
3
■ 査読コメント
有用性,正確性,記述の質ともに問題はないと判断します.しかし,新規性に関してすでに著者らが示すExtendedThumbやThe vacuumのほか,(指が届かないというよりは)オクルージョン回避の為に著者らの手法は頻繁に利用されています[1,2].
[1] Daniel Vogel and Patrick Baudisch. 2007. Shift: a technique for operating pen-based interfaces using touch. In Proceedings of the SIGCHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI '07). ACM, New York, NY, USA, 657-666. DOI=10.1145/1240624.1240727 http://doi.acm.org/10.1145/1240624.1240727
[2] Tyler J. Gunn, Hong Zhang, Ed Mak, and Pourang Irani. 2009. An evaluation of one-handed techniques for multiple-target selection. In CHI '09 Extended Abstracts on Human Factors in Computing Systems (CHI EA '09). ACM, New York, NY, USA, 4189-4194. DOI=10.1145/1520340.1520638 http://doi.acm.org/10.1145/1520340.1520638

著者らはシェイクジェスチャによりTouchOverの機能を切り替えていますが,これに関してなぜこの方式が良いのかがあまり明確でありません.例えば文献[3]のような手法を利用することでより手軽に機能切り替えができるようにも思います.
[3] Chris Harrison, Julia Schwarz, and Scott E. Hudson. 2011. TapSense: enhancing finger interaction on touch surfaces. In Proceedings of the 24th annual ACM symposium on User interface software and technology (UIST '11). ACM, New York, NY, USA, 627-636. DOI=10.1145/2047196.2047279 http://doi.acm.org/10.1145/2047196.2047279

以上から,本研究の新規性に関して問題があると判断し,本評定としました.



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review comment 3
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■ 総合点
4
■ 確信度
2
■ 査読コメント
評点の根拠:
スマートフォンを片手親指のみでの操作を行う場合に、親指が届かない領域への操作手法として、非接触状態の指位置が検出可能なタッチスクリーンを利用した手法が提案されており、プロトタイプの実装方法もなされています。

提案されている手法はとてもシンプルかつ実用的な1手法であると思われます。
デメリットとしては、直接操作と間接操作の切り替え操作(シェイク)が必要な点と、端末自体がホバー入力に対応している必要がある点でしょうか。

このような直接/間接の切り替え操作が不要であり、ホバー入力非対応のデバイス上でも利用可能な手法として、単純に画面にカーソル(ポインタ)を出現させ、画面全体をタッチパッドにしてしまい間接操作でカーソルを操作する手法もあると思います。(スクロール操作はできなくなってしまいますので、この手法と従来通りの直接操作をシェイク等で切り替える手法もあると思います。)このような操作感は従来のスマートフォンとは異なり、ノートパソコンのような操作感になってしまいますが一見ではそれなりに使いやすそうであるため、提案手法を評価される際に比較対象となるのではないでしょうか。

論文改善のためのコメント、疑問:
・まだホバー状態の指を検出できるスマートフォンはあまり一般的ではないと思われるため論文冒頭で提案手法がホバー操作が可能なデバイスを用いることと、使用されているGalaxy S4 SC-04Eがホバー検出(非接触での指検出)が可能な機種であることも明記したほうが論文がより分かり易くなると思います。