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review comment 1
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■ 総合点
3
■ 確信度
2
■ 査読コメント
コメント:

* 実用的な提案であり、実装/評価/他システムとの比較 も充分で良く書けている論文だと思います。
* しかし、部分的に閾値を変えながら最終的に必要な画像を抽出するという手法自体があまりに単純なので、本当に新規なものなのか判断ができません。確かにCT/MRIにおけるノイズが多いデータから重要部分を抜き出す方法としては新しいのかもしれませんが、同様にゴチャゴチャしたデータを扱う場合に同様の手法があたりまえのように利用されている可能性があると思います。たとえばノイズの多い写真画像から人手で必要部分を抽出するような応用に使えるはずでしょう。本手法が新規な手法であるのならば、他の分野への応用について言及がありそうなものですがそういう議論が全く無いところが不審に思われます。
* 閾値を変えて部分的に印をつけながら全体的に有用な画像を得るというインタラクション手法は珍しいものなのでしょうか。ボクセルデータだから違うのかもしれませんが...

その他疑問:

* 本論文では、1方向から見た画像に対して閾値設定などをして必要部分を抜き出すインタラクション手法が書かれていますが、どうせ人手でやるならデータを様々な方向から眺めてセグメンテーションを行なえばよさそうにも思えます。そういうことはやられているのでしょうか?
■ レビューサマリー













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■ 総合点
4
■ 確信度
1
■ 査読コメント
概要:本論文は、3次元医療画像からサーフェスモデルを作成するためのユーザインタフェースを提案しています。従来、煩雑な手作業で行われていたセグメンテーションを塗りつぶし等により効率的に行えることを実システムを実装したうえで、専門家によるユーザスタディを行っています。

新規性:セグメンテーションに関しては、様々な自動・半自動手法が提案されているものの、提案手法は手動でどこまで効率よくセグメンテーションができるかを追求しており、一定の新規性があると思われます。

有用性:医療画像からのサーフェスモデル作成という実応用のためのシステムとなっており、実ユーザである脳神経外科医によるユーザスタディを行っており、有用性は非常に高いと考えます。

正確性:査読者は医療画像処理の専門家ではないため正確な判断ができませんが、理解した範囲では問題はないように思われます。

記述の質:誤字・脱字、文法的におかしい文章が散見されます。採録された場合には全体的に記述を見直すことが必要です。



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■ 総合点
4
■ 確信度
1
■ 査読コメント
本論文は医療従事者が行う3次元医用画像処理用ソフトの利便性向上を行うために,ペイントインタフェースを基にしたセグメンテーション処理システムを提案しています.

評点の根拠:

本分野で医用画像処理を専門とする査読者および聴衆は少ないとは思いますが,

・分野の専門家(脳神経外科医)でのユーザテストを報告しており,
・そのユーザテストでの成果が比較的良好であること
・医療画像の扱いに関する議論を取り上げていること

も含め,評価しています.


論文改善のためのコメント,疑問:

査読者は本分野に明るくはないですが,
・3章で述べられている等値面の色設定ですが,奥行き表現などの色表現と混同することはないのでしょうか.
・ユーザテストはグラフを見る限り4名の被験者で行っているようですが,本文にも記述する方がよいかと思います.
・図12が若干読みにくいため,画像サイズまたはフォントサイズなどを調整すべきかと思います.


採択された場合の発表内容、議論内容に対するリクエスト:

1.医用画像処理業界での画像処理および処理作業の実態をプレゼンテーション冒頭で聴衆と共有するかが重要になるのではないかと思います.
特に
・医療従事者のPCスキル
・6章に述べられているような医用画像処理における業界的な思想
などは,PCの操作に長け,画像処理に対しても柔軟な思想にある聴衆にとっては意外かもしれません.

2.本手法で提案している動的な閾値の変更+ペイントインタフェースが他の3Dスキャン→サーフェスモデル作成にも有効かの議論があると,ファブリケーション分野への応用などにつながるかもしれません