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査読者 1

総合点

7

確信度

2

コメント

音から材質の逆問題が解けるということは興味深く,ここについて,この技術の適用範囲が広がるような発表と議論を期待したいです。LIMITATIONにも記載がありますが,材質が滑らかに変化するような計算結果がでたとして,それを物理的に実現することは難しいのですし,それが問題と認識されています。しかし,実物を作る方法がないとしてしまうと,この技術の有用性に疑問が生じます。少数(複数の)パーツ(ただし,パーツごとには均一の素材)のようなものならば,物理的な実現がより容易になるとおもわれますが,このような制約をあたえて,素材の性質を計算するような計算は可能とも思いますが,それを確認したいと思います。
 提出されたようなビデオを生成することだけが目的であれば,物理ベースである意義が十分には発揮されないようにおもいますので,発表ではそこに重点を置くのではなく,実現した技術の性能や制限などについて詳しく情報を提供し,この技術の使い方のヒントが得るための発表という形態が有益であろうとおもいます。

採録判定時のコメント

提案されている3Dモデル内部の材質分布を複数の音色を割り当てることで最適化する手法は、3DCGコンテンツ作成において作業負荷を軽減する手法として大いに期待できます。ビデオでは提案理論によるプロトタイプの実現可能性が示されており、提案手法の有効性も確認できます。また、提案手法のリミテーションや将来展望についてもしっかりと言及されており、ロング採録にふさわしいと判断されました。

レビューサマリ

全体の構成: 本論文は国際学会で既に発表済みの内容をまとめたものです。好みの音ファイルをドラッグ&ドロップで3Dモデルの表面に割り当て、インタラクティブに出音を確認しながら逐次デザインしていくという手法は、既存の音色デザイン手法には無く、特に複数の音ファイルを割り当て可能な点など、新規性および有用性が高いと考えられます。 改良に向けたコメント等: ・衝突時の音は何で叩くか、どこにぶつかるかなど、相手の形状や材質にも依存すると思われますが、それらの表現分けは可能でしょうか? もしくは必要でしょうか? Lloyedらの手法はそのあたりをランダムに変化させることでうまくごまかしていますが、何で叩いてもどこに落ちても同じ音だと不自然に感じることはないかという点が気になります。自然な音とは何か、ということの議論と評価があってもよいのではと思います。今後の課題としてあげられていた、密度とポアソン比を考慮する必要があるのか、効果がどれほどあるのかの検討材料にもなります。 ・Renらの手法に関する説明で、「シミュレーションしたいモデルとほぼ同じ形状と材質の現実物体を用意して録音作業を行わなければならない」とありますが、少なくとも形状に関しては全然異なるものに適応しているので正確な比較ではないと思われます。 ・LIMITATIONにも記載がありますが、材質が滑らかに変化するような計算結果がでたとして、それを物理的に実現することは難しいです。実物を作る方法がないとしてしまうと、この技術の有用性に疑問が生じます。例えば、少数(複数の)パーツ(ただし,パーツごとには均一の素材)のようなものならば、物理的な実現がより容易になると思われます。 ・軽微な編集誤りがあります:  - p.5 要求することないため → 要求することがないため

その他コメント

提出されたようなビデオを生成することだけが目的であれば,物理ベースである意義が十分には発揮されないようにおもいますので,発表ではそこに重点を置くのではなく,実現した技術の性能や制限などについて情報を提供してはいかがでしょうか。この技術の利用できる状況が広がるような発表になればすばらしいと思います。

査読者 2

総合点

8

確信度

1

コメント

評点の根拠:
好みの音ファイルをドラッグ&ドロップで3Dモデルの表面に割り当て、
インタラクティブに出音を確認しながら逐次デザインしていくという手法は、
既存の音色デザイン手法にはなく、特に複数の音ファイルを割り当て可能な点など、
新規性および有用性が高いと考えます。

論文改善のためのコメント、疑問:
衝突時の音は何で叩くか、どこにぶつかるかなど、
相手の形状や材質にも依存すると思われますが、それらの表現分けは可能でしょうか?
もしくは必要でしょうか?Lloyedらの手法はそのあたりをランダムに変化させることで
うまくごまかしていますが、何で叩いてもどこに落ちても同じ音だと不自然に感じることは
ないかという点が気になります。自然な音とは何か、ということの議論と評価があっても
よいのではと思います。今後の課題としてあげられていた、密度とポアソン比を考慮する
必要があるのか、効果がどれほどあるのかの検討材料にもなります。

Renらの手法に関する説明で、「シミュレーションしたいモデルとほぼ同じ形状と材質の
現実物体を用意して録音作業を行わなければならない」とありますが、少なくとも形状に
関しては全然異なるものに適応しているので正確な比較ではないです。

査読者 3

総合点

8

確信度

1

コメント

評点の根拠:
本稿で提案されている3Dモデル内部の材質分布を複数の音色を割り当てることで最適化する手法は、3DCGコンテンツ作成において作業負荷を軽減する手法として大いに期待できる。添付の参考ビデオからは提案理論によるプロトタイプの実現可能性が示されており、提案手法の有効性がも確認できる。また、提案手法のリミテーション、将来展望についてもしっかりと言及され、WISSにおけるロングペーパーとしての議論にふさわしいと判断する。

論文改善のためのコメント、疑問:
以下のタイポがありましたのでご確認ください。
- p.5 これは提案手法の大きなメリットの一つであり, ユーザに大量の音の割り当てを要求することないためデザインの負担が少なくて済む. → 要求すること(が)ないため