Contents
  1. 12月14日(水)
    1. 15:30-17:05 セッション1 「操作」(95分) [ 座長:野嶋 琢也(電通大)/ チャット座長:中村 裕美(東大) ]
      1. 外耳道内の気圧変化を利用した下顎運動認識システム
      2. BaroTouch:防水タッチパネル端末に内蔵された気圧センサを用いた押下圧力取得手法
      3. FistPointer:モバイルVR環境のための空中操作を用いたターゲット選択手法
      4. 物体を操作する映像におけるHalf-Diminished Realityの実現
      5. マイクロ生体認証:人間の微細生体領域を利用した生体認証
    2. 17:20-18:40 セッション2 「学習」(80分) [ 座長:増井 俊之(慶應大)/ チャット座長:豊田 正史(東京大) ]
      1. 図形描画とテキスト入力を用いた力学に関する質問応答システム
      2. STICK TRACK: 運手情報を付加したドラム譜面作成システム
      3. Mojivator: 手書き文字の自動融合により書きたくなる練習支援システム
      4. 着ぐるみ未装着での着ぐるみポージング練習システム
  2. 12月15日(木)
    1. 9:00-10:55 セッション3 「構成(1)」(115分) [ 座長:梅村 恭司(豊橋技科大) / チャット座長:大坪 五郎(ネクスト) ]
      1. 物理ベースサウンドデザインのための例示ベースインタフェース
      2. トレーシングとデータベースを併用する2Dアニメーション作成支援システム
      3. srt.js: 映像コンテンツへのIoT指向拡張プログラム埋め込みフレームワーク
      4. ポケレポ GO: ワンマンライブレポートシステム
      5. Deconaby:ウェブ上の画像に対する解説アニメーション付与システム
    2. 11:10-12:30 セッション4 「支援」(80分) [ 座長:山本 岳洋(京大) / チャット座長:簗瀬 洋平(Unity) ]
      1. チーム対戦型の貢献度提示によりバランスのよい参加を促すチャットシステム
      2. 貼るだけ探索:RFIDタグの検出履歴を利用した物探し支援システムの提案
      3. AssisTag: 画像内容に基づく閲覧と単語に基づく閲覧を統合した画像探索システム
      4. 考えるための検索インタフェース Genko
    3. 15:30-17:15 セッション5 「映像」(105分) [ 座長:松村 耕平(立命館大学) / チャット座長:伊藤 正彦(東大, NICT) ]
      1. AquaCAVE : 水泳体験を向上させる水中バーチャルリアリティ環境
      2. Qoom: 球体型インタラクティブディスプレイ
      3. 全天球ボールカメラによる撮影動画の視点固定手法の提案
      4. Anamorphicons を用いたパノラマビューシステムの提案と実装
      5. Behind-the-Mask: 顔映像が取得可能な頭部搭載型ディスプレイ
    4. 17:30-18:30 招待講演 (60分)
  3. 12月16日(金)
    1. 10:50-11:45 セッション6 「構成(2)」(55分) [ 座長:加藤 淳(産総研) / チャット座長:益子 宗(楽天技術研究所) ]
      1. 自由形状の竹とんぼのインタラクティブデザインシステム
      2. 3DプリンタのためのPaper User Interface
      3. 造形高さと樹脂量の設定による熱溶解積層方式3Dプリンタの表現力拡張

プログラム

プロシーディングスは WISS の Webサイトにて公開中です。

http://wiss.org/WISS2016Proceedings/

今年は 査読方針 にもあるように、論文のページ数に関わらず ロング採録 ショート採録 議論枠採録 に分けて採録されています。

  • ロング採録 : ロングペーパに相当
  • ショート採録 : ショートノートに相当
  • 議論枠採録 : 論文内容や考え方について意見が分かれており、じっくりと議論が必要
採録時コメント

(ロング/ショート/議論枠)としての採録判断に至った経緯が示されています。より詳しいレビューコメントは、各論文の末尾に追加されたページを参照してください。

発表時間は以下の通りです:

  • ロング発表 : 15分発表 + 10分質疑
  • ショート発表 : 10分発表 +5分質疑
  • 議論主体 : 10分発表 + 15分質疑

スライドサイズは4:3推奨です。 映像端子はVGAとなるので必要に応じて端子変換器をご用意ください。 入力解像度は、SXGA、XGA(リアル対応)、SVGA、VGA対応。 (登壇発表用プロジェクタ:エプソン EMP-8300)

デモ・ポスターセッションの割り当てについては デモ をご覧ください。

12月14日(水)

10:00 デモ準備開始(Bの会場については都合により11:00〜です)
10:30 受付開始
13:00-13:30 オープニング
13:30-13:50 デモ中継1 (20分)
13:50-15:20 デモ・ポスターセッション1 (90分)
15:20-15:30 休憩 (10分)

15:30-17:05 セッション1 「操作」(95分) [ 座長:野嶋 琢也(電通大)/ チャット座長:中村 裕美(東大) ]

外耳道内の気圧変化を利用した下顎運動認識システム ロング採録 ロング発表

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安藤 宗孝、久保 勇貴、志築 文太郎、高橋 伸(筑波大)

種々の下顎運動を認識するシステム「MimiSense」を示す。本システムは口を開ける、口を閉じる、及び顎を左に動かすなどの下顎運動を認識することができ、認識結果を情報端末に対する操作に利用できる。下顎運動による操作はハンズフリーかつアイズフリーであるため、手を用いることができない状況においても使用できる。本システムのセンサ部は市販の外耳道挿入型イヤホンと同様の形状であるため、装着が容易である。

BaroTouch:防水タッチパネル端末に内蔵された気圧センサを用いた押下圧力取得手法 ロング採録 ロング発表

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高田 崚介、林 威、安藤 宗孝、志築 文太郎、高橋 伸(筑波大)

防水機能を有し、気圧センサを内蔵しているタッチパネル端末において、指の押下圧力を取得する手法を示す。本手法では、画面を押下した際に端末表面がたわみ、内部の気圧が上昇する現象を、気圧センサを用いて計測することにより押下圧力を取得する。

採録時コメント

気密性の高い防水型のタッチパネルにおいて、ユーザがパネルを押下する際の力を、内蔵の気圧センサを用いて計測する手法の提案です。押下力を検知可能なタッチパネル自体は既にありますが、特別なセンサを追加せずに同様の機能が安価に実現可能であることが評価されました。加えて、提案手法における押下位置・押下力の特性に関しても、詳細な実験が行われています。これらの点を評価し、ロング採録となりました。

FistPointer:モバイルVR環境のための空中操作を用いたターゲット選択手法 ショート採録 ショート発表

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石井 晃、阿達 拓也、島 佳吾、中前 秀太、志築 文太郎、高橋 伸(筑波大)

スマートフォンをHMDとして用いることによりVR環境を実現する製品がある。本研究において、そのようなモバイルVR向けのターゲット選択手法FistPointerを示す。提案手法は携帯端末の背面カメラにより検出した手の位置に応じて画面上にポインタを表示し、親指を曲げる操作によりターゲット選択を行う。提案手法は手の検出に携帯端末の背面カメラのみを用いるため、モバイルVR環境向けのターゲット選択手法として追加の機器無しに適用可能である。

採録時コメント

近年盛り上がりつつある簡易VR の課題(操作が難しい)を、追加装置を用いずに解決した点が評価されました。指先でのターゲット選択の性能評価に加え、アプリケーションの実装もきっちりと行われています。一方で、画像処理の手法自体には新規性は無く、実環境での性能限界についても述べられていない(複雑な背景からの指先の分離は可能か?)など、不足している部分もあることから、ショート採録となりました。

物体を操作する映像におけるHalf-Diminished Realityの実現 ショート採録 ショート発表

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奥本 隼、吉田 光男、梅村 恭司(豊橋技科大)

物体が操作される様子を観察するとき、操作する物体(前景)と操作される物体(後景)の両者の動きが見えると有用である。本研究では、動きの情報を利用するDiminished Realityの手法を基にして、Half-Diminished Realityをリアルタイムで実現する。前景と後景を半透明に重畳したときに前景と後景の動きが一致しない問題を、映像の時間シフトによって解決する。提案手法は、将棋の実況映中継像において適切に動作することを確認した。

採録時コメント

将棋の中継配信映像にHalf-Diminished Reality(半透過型画像合成)を利用する提案であり、実装を通じて提案手法の有効性が示されています。論文もわかりやすく書かれていますが、一方で技術的な新規性は少なく(使用されている画像処理手法は一般的なもの)、ボードゲーム以外への適用可能性もはっきりしませんが、4 ページ論文としては十分であると評価され、ショート採録となりました。

マイクロ生体認証:人間の微細生体領域を利用した生体認証 ショート採録 ショート発表

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藤田 真浩、眞野 勇人、村松 弘明(静岡大)、高橋 健太(日立製作所)、西垣 正勝(静岡大)

なりすまし耐性、プライバシ保護(追跡不可能性)、認証精度の要件をすべて満足する生体認証メカニズムの実現を目指し、人間の微細生体領域を利用した「マイクロ生体認証」を提案する。本発表では、その一事例として、マイクロスコープによって撮像される微細肌理画像を用いた生体認証システムを構築した。プロトシステムを用いた実験を通じて、肌理を利用したマイクロ生体認証が、目的を達成し得る認証方式であることを確認した。

採録時コメント

皮膚の微小領域(1x1mm)の撮影画像を用いた認証手法には一定の新規性がありますが、WISSのメインスコープである、インタラクティブシステムとしての検討(認証システムとして受け入れ可能なユーザビリティ等)に欠けていると評価され、ショート採録となりました。


休憩 (10分)


17:20-18:40 セッション2 「学習」(80分) [ 座長:増井 俊之(慶應大)/ チャット座長:豊田 正史(東京大) ]

図形描画とテキスト入力を用いた力学に関する質問応答システム ロング採録 ロング発表

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五十嵐 健夫(東大)、横野 光、岩根 秀直(富士通研)

数式処理システムをバックエンドとして力学の問題を解くアプリケーションを提案する。本研究では、図形的な情報をGUIで指定して、記号的な情報をコマンドラインで入力するようなユーザインタフェースを提案する。特に、人間にとって自然なインタラクションを実現することを目的として、入力に曖昧性がある場合に、それらをどのように処理するかに焦点を当て議論を行う。

採録時コメント

「自然言語だけでなく図的な情報を扱う枠組み」という、従来探索されていなかった分野に取り組んだ意欲的な論文です。現状では対象が基礎的な問題に留まっている点、また曖昧性解消のルールが、今後より複雑な問題になった場合に適用できるかといった疑問はあるものの、WISSで議論するにふさわしいと判断し、ロング採録としました。

STICK TRACK: 運手情報を付加したドラム譜面作成システム ショート採録 ショート発表

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菅家 浩之(神戸大)、寺田 努(神戸大/JST)、塚本 昌彦(神戸大)

本研究ではドラム演奏において演奏者が各打楽器を左右どちらの手で叩打したか(運手)を識別し、運手情報を付加した譜面を採譜するシステムSTICK TRACKを提案する。STICK TRACKはドラムスティックに搭載した角速度センサのデータおよび電子ドラムによるMIDI情報を利用し、ドラムにおける演奏ルールに基づいてリアルタイムに運手識別を行い、運手情報を付加した譜面の採譜を行う。

採録時コメント

ドラム演奏において、運手情報を付加しながら採譜するシステムという着目点は可能性を感じられ、プロトタイプもしっかりと実装されています。一方、角速度センサを使用した本手法と他の検出手法との比較の考察が抜けている、評価がプロトタイプの検出率に留まっている、などの理由から、ショート採録となりました。今後、提示方法や採譜したデータ活用の有用性なども含め、さらに踏み込んだ評価・考察がなされることを期待します。

Mojivator: 手書き文字の自動融合により書きたくなる練習支援システム ショート採録 ショート発表

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久保田 夏美、新納 真次郎、中村 聡史、鈴木 正明(明治大)

ユーザが書いた文字をリアルタイムにお手本文字と融合して綺麗に変化することで、モチベーションを維持しつつユーザの書写技能を向上させる“Mojivator”というシステムを提案する。このMojivatorを用いることで手書き練習に対するモチベーションを維持することができるのか、本当に書写技能が向上するのかを簡易実験により検証した。

採録時コメント

自分の書いた文字を、お手本との平均文字に変更し「平均化していることを気づかせない」ことで、自然な学習支援を行うというアイデアは興味深く、モチベーション維持の議論に踏み込んでいる点も評価できます。一方、実装されたシステムが実際にモチベーション維持に役立っているようには見えず、目的とシステムの機能が合致していない可能性が指摘されました。主にアイデアの面白さを評価し、ショート採録となりました。

着ぐるみ未装着での着ぐるみポージング練習システム ロング採録 議論主体

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中山 遼(神戸大)、寺田 努(神戸大/JST)、塚本 昌彦(神戸大)

着ぐるみの動作練習において、事前に装着して練習できる環境は少ないため、演者は着ぐるみを装着せずに練習をすることが一般的である。しかし、着ぐるみの構造は人間と異なっており、装着経験の少ない演者にとって、着ぐるみの動作練習をすることは難しい。そこで本研究では、ユーザが効果的な着ぐるみの動作練習ができるように、ユーザのポーズに応じて、着ぐるみ装着時のポーズを視覚提示するシステムを提案する。

採録時コメント

関節可動域や動作制限という、きぐるみ特有の問題を予備調査から洗い出し、実際のシステム開発につなげている点を評価し、ロング採録となりました。一方、現状では技術的な新規性は多くは無く、多彩なきぐるみのパターンや連続動作への対応など、さらなる発展も必要だと考えられます。発表では討論の時間を長めに取り、技術的な課題や今後の方向性について(できれば実物を見ながら)議論ができることを期待します。


21:00-0:00 ナイトセッション
0:00- ミッドナイトセッション

12月15日(木)

9:00 デモ準備開始(Bの会場については都合により11:00〜です)

9:00-10:55 セッション3 「構成(1)」(115分) [ 座長:梅村 恭司(豊橋技科大) / チャット座長:大坪 五郎(ネクスト) ]

物理ベースサウンドデザインのための例示ベースインタフェース ロング採録 ロング発表

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山本 和彦(東大/ヤマハ)、五十嵐 健夫(東大)

3Dコンテンツ制作において, 3Dモデル同士が衝突したときの音などを物理ベースでレンダリングする場合, 音色を決定するのもまた材質という物理的なパラメータである. このため, アーティストが音を自在にデザインすることができないという問題がある. そこで, この問題を解決するために, 3Dモデルへの音ファイル割り当て操作だけで物理ベースサウンドのデザインができる, 例示ベースのインタフェースを提案する。

採録時コメント

提案されている3D モデル内部の材質分布を複数の音色を割り当てることで最適化する手法は、3DCGコンテンツ作成において作業負荷を軽減する手法として大いに期待できます。ビデオでは提案理論によるプロトタイプの実現可能性が示されており、提案手法の有効性も確認できます。また、提案手法のリミテーションや将来展望についてもしっかりと言及されており、ロング採録にふさわしいと判断されました。

トレーシングとデータベースを併用する2Dアニメーション作成支援システム ロング採録 ロング発表

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福里 司、森島 繁生(早大)

本研究では、3DCGモデルや煩雑な物理方程式を用いた「現実に近い動きを再現する」アプローチではなく、「パラパラ漫画」のようにイラストを変形させる手描き2Dアニメーションを支援するユーザインターフェースを提案する。アルゴリズムとしては、動きを表現するための中割りフレームを生成する機能と、事前に用意したアニメーションデータをイラストに半自動的に付与する機能を組み合わせている。

採録時コメント

技術的な新規性(2 次元アニメーション作成の際に、手書きスケッチとデータベースを組み合わせる)に加え、システムがきっちり作られていること、既存手法に比べて優れた結果が得られていることなどを評価し、ロング採録となりました。一方で、システムの有用性や、実際にユーザを支援できたのかなどの考察が不足していますので、WISSでのディスカッションを通じて更なる研究の発展に繋げてください。

srt.js: 映像コンテンツへのIoT指向拡張プログラム埋め込みフレームワーク ロング採録 ロング発表

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栗原 一貴(津田塾大/Diverse技術研)、橋本 美香(津田塾大)

時刻情報の付与されたスクリプト言語を埋め込むことにより映像と連動したプログラムを駆動しエンタテインメント価値を高める手法の再検討を行う。具体的にはYouTube等の映像コンテンツに対し公式にサポートされている字幕形式であるsrtファイルの形でJavascriptを埋め込み、映像のタイミングに合わせて外部WebサービスやIoT機器と連携することを容易に行えるフレームワークsrt.jsの開発を行った。

採録時コメント

「時刻 X になったら処理 Y を実行する」という、時系列メディアの再生時刻をトリガにしたイベントドリブンなアプリケーション開発を容易にする提案です。字幕用テキストフォーマットの拡張によるJavaScript 記述方式、QR コードを用いたデバイス認証を含むサーバ・クライアント型実行環境に加え、ユースケースシナリオ等が評価され、ロング採録となりました。一方で、ターゲットユーザが不明確なことや、セキュリティ面での議論が表層的である点などに改善の余地があります。

ポケレポ GO: ワンマンライブレポートシステム ロング採録 ロング発表

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竹川 佳成(はこだて未来大)、松村 耕平(立命館大)、西村 陽菜(はこだて未来大)

1人でのライブ中継形式のレポートを支援するシステム「ポケレポ GO」を提案します。提案システムは、状況依存性の高い現場で、撮影や編集などのマルチタスクを円滑に進めるための機能を提案し、UIデザインを工夫しました。

採録時コメント

WISS のデモのような展示会において、1 人での動画中継を支援するウェアラブルシステムの提案です。明確な問題意識に基づく現実的な解決手段の数々は評価に値します。また、国際会議などの場面で何度もシステムの試作と実施テストを繰り返しながらブラッシュアップを行っていることから、システム構成の説得力も高くなっています。

Deconaby:ウェブ上の画像に対する解説アニメーション付与システム ショート採録 ショート発表

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樋川 一幸、松田 滉平、中村 聡史(明治大)

ウェブ上にはインストール手順や操作方法、道順などを紹介するようなHOWTOに関するページが多数存在しているが、説明が十分でないために理解が困難であることが多い。本研究ではこうしたページ上の画像に対してカーソルや指、人などが動くアニメーションで重畳することで操作方法や道順などの理解容易性を向上させるDeconabyシステムを提案および実装した。また、その利用可能性についてユーザの利用から検討を行った。

採録時コメント

様々な情報提供がWeb コンテンツとしてなされる現状において、ユーザ毎に個別のアノテーションを施せることは重要であり、現代の技術で実装したことと合わせて評価できます。一方で、Web ページ上の画像にマウスの軌跡を重畳することでアノテーションを付加するというアイデアそのものに新規性は乏しく、3 つの「装飾モード」を選択した根拠やこれらの有用性も明確ではありません。今後の発展を含め会場で議論する価値があると判断し、ショート採録となりました。


休憩 (15分)


11:10-12:30 セッション4 「支援」(80分) [ 座長:山本 岳洋(京大) / チャット座長:簗瀬 洋平(Unity) ]

チーム対戦型の貢献度提示によりバランスのよい参加を促すチャットシステム ショート採録 議論主体

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西田 健志(神戸大)

集団コミュニケーションでは参加人数が多くなればなるほど、一部の人だけが発言している偏った状態になってしまう。WISSで毎年行われている学会チャットも例外ではない。本研究では、大人数集団を少数のチームに分けてチームごとの合計貢献度を競争的に提示することによって消極的な人の参加を促す手法を提案し、提案手法を実装したチャットシステムをWISSで運用することでその評価を行う。

採録時コメント

WISSのチャットのような場面において、いかにして初心者の発言を引き出すか、という問題提起及び解決方法については妥当性があると思われます。十分に思考を重ねた結果デザインされたシステムという印象ではありますが、最も重要な点である「効果」について予想は難しく、現状実施前でデータがないことも考慮して、ショート採録となりました。ぜひWISSの場で実施検証をお願いしたい。

貼るだけ探索:RFIDタグの検出履歴を利用した物探し支援システムの提案 ショート採録 ショート発表

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笹川 真奈、池松 香、椎尾 一郎(お茶の水女子大)

本研究では、部屋中に貼付された多数のパッシブRFIDタグの情報をRFIDリーダで読み取りながら、目的物まで辿ることで物探しを支援するシステムを提案する。本システムでは、ユーザは物や場所にタグを貼るだけで、その場所や物の名前を登録する必要はない。ユーザが過去に行った物探しにおいて検出したタグデータと、その際に自動撮影された写真を活用することで、タグの位置と対象物をシステムがユーザに示す。

採録時コメント

安価なパッシブ型RFIDタグのみを用いた、もの探し支援システムの提案です。過去のスキャン履歴をデータベース化することで、ユーザの手間をできる限り少なくする手法は、既存の手法と比べてコストや手間の面でメリットがあるように見受けられ、一定の新規性があると思われます。一方、内容自体は比較的シンプルなものであるため、ショート採録が適切であると判断されました。

AssisTag: 画像内容に基づく閲覧と単語に基づく閲覧を統合した画像探索システム ショート採録 ショート発表

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水野 加寿代、坂本 大介、五十嵐 健夫(東大)

カテゴリ画像検索とは、複数のクエリ画像からその画像と同じカテゴリに所属する画像を発見する検索を指す。本論文では、対象カテゴリを表す単語を知らない状態からのカテゴリ画像検索を可能にする画像探索システムを提案する。提案システムは、対象カテゴリを表す単語候補の対話的な表示と、画像内容に基づく閲覧と単語に基づく閲覧の統合によって、ユーザが検索中に検索対象カテゴリの理解を深めることを支援する。

採録時コメント

画像とテキストを相補的に用いた画像探索を提案し、システムもしっかり作られています。提案方式の有用性を定量的・定性的に検証している点も評価できます。一方で、本研究のメインアイデアである、画像とテキストを用いたインタラクティブな画像探索の既存研究(複数あります)の引用がされておらず、研究の新規性が十分に示されていないため、ショート採録としました。誤字脱字も散見されるので、投稿前のチェックを十分に行って欲しい。

考えるための検索インタフェース Genko 議論枠採録 議論主体

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大坪 五郎(ネクスト)

「深い思考を促すIF」というアイディアは高く評価され、命題分割と検索結果表示部への制約の二つの機能が、深い思考を促すのに役立つ可能性があることは否定できません。一方で、上記のようなシステムデザインに至った背景やフィロソフィーが明確に書かれていない点がマイナス評価となりました。最終的に、(提案方式に限らず)「深い思考を促すインタフェースとは何か」について、WISSの参加者間で深い議論が行われることが期待できるため、「議論枠採録」と判定されました。

採録時コメント

画像とテキストを相補的に用いた画像探索を提案し、システムもしっかり作られています。提案方式の有用性を定量的・定性的に検証している点も評価できます。一方で、本研究のメインアイデアである、画像とテキストを用いたインタラクティブな画像探索の既存研究(複数あります)の引用がされておらず、研究の新規性が十分に示されていないため、ショート採録としました。誤字脱字も散見されるので、投稿前のチェックを十分に行って欲しい。


12:30-13:30 昼休み (60分)
13:30-13:50 デモ中継2 (20分)
13:50-15:20 デモ・ポスターセッション2 (90分)
15:20-15:30 休憩 (10分)

15:30-17:15 セッション5 「映像」(105分) [ 座長:松村 耕平(立命館大学) / チャット座長:伊藤 正彦(東大, NICT) ]

AquaCAVE : 水泳体験を向上させる水中バーチャルリアリティ環境 ロング採録 ロング発表

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山下 聖悟、張 鑫磊(東大)、暦本 純一(東大/Sony CSL)

本研究では水槽の底や側面に立体映像を投影することにより、サンゴ礁や深海などの仮想的な環境の中で水泳を楽しむことが出来るプールを実現した。このシステムは、水中での新しいバーチャルリアリティ体験を提供する。また、水泳へのモチベーション持続や、水泳フォームの投影などによるトレーニングの支援効果も期待される。

採録時コメント

プール型のCAVEシステムに関する研究です。近年ではCAVEシステムは安価&簡単に作成できるようになっていますが、水中でのプロジェクションや立体視に関しては未知であり、この点について明らかにしている本論文には、大きな価値があると考えます。高い新規性、将来にわたるインパクトを考慮して、ロング採録としました。

Qoom: 球体型インタラクティブディスプレイ ロング採録 ロング発表

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宮藤 詩緒、LI ZHENGQING、佐藤 俊樹、小池 英樹(東工大)

本論文では完全な球体型ディスプレイデバイスとしてQoomを提案する。本システムは、球体の代表的な物体であるボールの特性を活かしたインタラクションを可能とし、タッチによる操作、回転、投げるといった動きを操作に組み込んだ。また、球体ディスプレイに表示される情報の探求として、球体形状の情報だけでなく、四角い情報や球体でない形状の情報の表示も行った。そしてこれらを利用したアプリケーションを作成し有用性を示した。

採録時コメント

一般に購入できるプロジェクタとモーションキャプチャで完成度の高いシステムを構成している点、ボールへの投影の遅延の補正をしている点、また国際会議などでの実運用(デモンストレーション)が評価され、ロング採録となりました。一方で、動作検出や投影の遅延による操作性への影響や、参照文献の少なさに加え、誤字脱字等も散見されるため、推敲の上で国際会議などへのフルペーパ投稿に繋げてください。

全天球ボールカメラによる撮影動画の視点固定手法の提案 ロング採録 ロング発表

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中澤 正和、小池 英樹(東工大)

スポーツのボールにカメラを装着することによるボール視点の新しいスポーツ観戦が実現しようとしている。問題となるのはスポーツ中にボールが回転することで視点が不安定になってしまうことである。本稿ではボールの回転とともに姿勢が変化する全天球カメラで撮影した動画の視点を固定する手法を提案する。

採録時コメント

移動&回転しているボールから撮影された全天球動画の視点固定のためのアルゴリズムの提案です。スポーツやエンタテインメント等の分野において今後高い応用可能性を秘めた研究であると考えられます。特徴点のロバストな抽出という技術的新規性に加え、しっかりした実装が成されており、ロング採録となりました。一方、アルゴリズムの説明で理解が難しい個所があるので、より丁寧な記述が望まれます。

Anamorphicons を用いたパノラマビューシステムの提案と実装 ショート採録 ショート発表

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池松 香、笹川 真奈、椎尾 一郎(お茶の水女子大)

本研究では空間把握が安易であり、パッシブかつ安価なデバイスで実現可能なパノラマビューシステムを提案する。先行研究であるAnamorphiconsの技術を用い、円鏡筒型のウィジェットに全周囲パノラマビューを投影し、それをタンジブルに操作することで空間把握を容易に行えるようにする。本論文ではシステムの実装と予備実験を行い、方角認識のしやすさという観点から本手法の有効性を確認した。

採録時コメント

円筒状の鏡によるアナモルフォーズを用いたパノラマビュー表示とそのタンジブルな操作の提案には新規性があると考えられます。また、デバイスをパッシブかつ安価に構成できるという特徴も有しています。被験者は少ないものの、評価実験において既存の手法よりタスク実行速度が短縮傾向にあることが示されており、パノラマビューの新たな表示・操作の1手法として評価できます。一方で、「人形の方向と進行方向が合っていない」という指摘もありますが、4ページ論文としては十分な内容であると判断され、ショート採録となりました。

Behind-the-Mask: 顔映像が取得可能な頭部搭載型ディスプレイ ショート採録 ショート発表

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暦本 純一(東大/Sony CSL)、浦垣 啓志郎(東工大)、山田 献二朗(名大)

(掲載準備中)

採録時コメント

ヘッドマウントディスプレイ着用者の顔表情取得手法の提案です。提案手法(顔面撮影用の小型赤外線カメラと赤外線反射ミラーをHMD 内に設置)の新規性・妥当性や実装手法は、ショート採録(本論文は4 ページです)に十分であると評価されました。一方、リミテーションや他の技術に対する優位性については加筆を要する部分もありますので、フルペーパ化の際の参考にしてください。


休憩 (15分)


17:30-18:30 招待講演 (60分)

  • 講演タイトル:「アナログメカの魅力 〜先人たちの知恵と工夫のモノづくり〜」
  • 講演者:トヨタ産業技術記念館 学芸企画グループGM 木村雅人氏
  • 講演概要:モノづくりの先人たちが考案・改良してきたさまざまなメカニズムには驚くべき知恵と工夫が隠れています。今回は、機械式時計と鉄砲をルーツとする日本のモノづくりの変遷を軸に、繊維機械やカメラ、蓄音機の歴史も含めて実演を多く交えながらアナログメカの魅力についてお話します。現代の技術を歴史的視点から見直すことで、モノづくりの本質を理解し、未来を拓く意欲と豊かな発想を呼び起こすヒントにしていただければ幸いです。

21:00-0:00 ナイトセッション
0:00- ミッドナイトセッション

12月16日(金)

8:00 デモ準備開始
9:00-9:20 デモ中継3 (20分)
9:20-10:40 デモ・ポスターセッション3 (80分)
10:40-10:50 休憩 (10分)

10:50-11:45 セッション6 「構成(2)」(55分) [ 座長:加藤 淳(産総研) / チャット座長:益子 宗(楽天技術研究所) ]

自由形状の竹とんぼのインタラクティブデザインシステム ロング採録 ロング発表

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中村 守宏、小山 裕己、坂本 大介、五十嵐 健夫(東大)

本研究では, 自由形状の翼を持つ創造的でよく飛ぶ竹とんぼを対話的にデザインするためのシステムを提案する. 本システムはユーザが竹とんぼをデザインしている最中に飛行シミュレーションを可視化する. また, 竹とんぼがより高く長く飛ぶように現在のデザインを最適化する機能を提供する. データドリブンな手法を用いることでこれらの機能を実現した。

採録時コメント

筆者らが行ってきた一連の「自由形状デザイン」研究の一環ではあるものの、自由形状の竹とんぼをデザインするというテーマ設定自体が斬新です。回転飛翔体である竹とんぼのデザインに特化した機能を提案・実装し、手法の有効性を示しています。「訓練用竹とんぼ」によるデータ収集と空力パラメタの推定、3D プリンタを利用して羽根の正確な方向と仰角を得るアイディアも秀逸であり、ロング採録となりました。

3DプリンタのためのPaper User Interface ショート採録 ショート発表

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秋山 耀、宮下 芳明(明治大)

本研究では、3Dプリンタでの出力を前提として、紙を用いたインタフェース(PUI: Paper User Interface)に則った3Dモデル入力を提案し、システムとして実装した。専用紙にマーカで実寸の二面図を描き、システムにセットしてボタンを押すだけで、スキャン→形状推測→モデル生成→3Dプリントまでが自動で完了する。小学生や80代の実験参加者でも有用性を確認し、その制約について議論を行った。

採録時コメント

PC操作に不慣れな高齢者等でも3Dオブジェクトを製作できるよう、紙に描いた2 面図から造形物を制作する手法を提案しています。興味深い研究ですが、製作可能な形状に制約が多いことに加え、そもそも研究の意義が不明瞭(=本当に初心者が使うのか?)という点に課題があることから、ショート採録となりました。

造形高さと樹脂量の設定による熱溶解積層方式3Dプリンタの表現力拡張 ショート採録 ショート発表

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高橋 治輝、宮下 芳明(明治大)

熱溶解積層方式3Dプリンタで造形する際、造形時の高さや樹脂量が不適切な場合は造形エラーが発生する。一方で、造形エラーを表現力の拡張のために活用する手法群が提案されている。しかし、こういった手法では、パラメータと造形結果との関係は明らかにされていない。本稿では、パラメータ設定のための関係式を拡張し、多様なパラメータに対する樹脂の振る舞いを調査する。結果を6種類に分類し、パラメータの分布と造形例を示す。

採録時コメント

熱溶解積層方式の3D プリンタで、従来なら出力エラーとされるような表現を「表現力拡張」と捉えて6種類に分類し、それを安定的に出力可能なパラメタ条件を調査した論文である。興味深い調査結果であり、論文の構成もしっかりしているが、特定機種の「ハック」を超える汎用的な知見が十分に示されていないため、ショート採録となった。


11:45-12:30 クロージング
Last modified: 2016-12-31 Attached files total: 13MB